ボーイズ

順風満帆な国などないように思う。アメリカもイギリスも韓国もブラジルもどの国も。人の事、よその国の事を心配している場合ではないと思うが各国情勢のニュースを見てはそのそれぞれにため息が出るようだ。

 

先日アマゾンプライムで視聴できるThe BOYSを見終わった。アメコミヒーローの素性が実はクソカスで、そんなヒーローに因縁を持つ一般人たちがリベンジしていくのが主なストーリーだ。セクハラ、差別、グロなどコンプラに中指立てるような表現が盛り沢山で精神状態によっては見ちゃいられないこともある。しかしそのアメリカだけではない社会問題の掬い方が絶妙で(もちろんアメリカの様々なことのメタファーがたくさんあるが)ただの過激な映像作品に終始しないところに唸らされる。

 

この作品ではスーパーヒーローだけがフィクションで、いろんな嫌なことがマジにこの世界では起きている。The BOYSの世界では、それらの問題ごとは解決できずに話がドライブしていく。

 

スーパーヒーローがいたとしてもと思うとフィクションであれなんともつらいが、私たちが生きている世界はそうなんだろう。とてつもない有能な人間が何人かいたとしても、ほとんどこの世は何も変わらない。自分と対峙できないオレがそんな世界に対峙しなければならないのだ、などと思春期に聞いたような歌詞を思ってひとりごちていた。